株式会社キッズ・コム

  • 2024年12月12日

「目標の正しい考え方」

『 目標は自らつくる?』

あるときの新卒セミナーでの話です。「目標とは」、というテーマで学生の皆さんに話をしました。

当社は、常に各人に対して高い目標を与えます。その人の能力を100だとすると、常に120の負荷をかける、というのが私たちの考えです。ですから上長が部下に対して、負荷のかかる、高い目標を常に与えています。

参加された学生の一人が、このように発言しました。「目標というのは自分で立てるものではないでしょうか。自分で立てた目標の方がやりがいがあると思います。与えられる目標では頑張れません」と。

人によって、特にその人の成長度合いによって目標の与え方は異なります。このとき、私が話したのは、学生、つまり社会人として初心者の皆さんです。ちなみに私は経営者ですから、誰からも目標を与えられませんし、常に自ら目標をつくってきましたが、そんな私でも若い時代には当然ながら上司や会社から目標を与えられてきました。

社会人初心者の人は、失敗体験も成功体験も少なく、必要な知識もまだ不十分です。そのような人が自分で目標を立てたらどうなるでしょうか。今までの経験や知識に基づいて、自分が実現可能なレベルで、もしかしたらそれより少し高いレベルの目標を立てるのかもしれません。ただ少なくともその人が想像できる範囲で、過去の延長線上に目標をつくると思います。一方で、上司が与える目標は全く想像もしない、経験のない、新たな知識を必要とする、今まで異なった努力をしなければ達成できないものとなるでしょう。

また、若い人はノルマを嫌がります。ノルマと目標の違いは何でしょうか。強制的な意味合いが強いのがノルマと言えるかもしれませんが、ノルマであっても目標であっても、それがいかに「高いか」が重要なことなのです。

努力というのは、諦めかけた地点から始まります。「私はこれまでずっと努力してきました、でもこの目標を達成するのはやはり無理です」と言いがちですが、本当の努力は、その諦めかけた先にあります。やれば、頑張れば達成できる目標は、たぶん「やる」し、「頑張る」でしょう。

人は、今まで通りやっても、今までの延長線上で頑張っても達成できない目標を与えられたときに、過去の経験を否定し、新たな知識を必要とし、新たな経験を得、人と協力し、人に教えを乞う、という行動へと変えていきます。それが過去とは異なる新しい自分を生み出すのです。また目標があるからこそ、明確にゴールを切れる瞬間が味わえます。未達であった場合にも、自分に何がどれぐらい足りなかったのかということも分かるでしょう。目標があることによって必要な努力や工夫が見えるようになり、目標を達成することによって喜びの瞬間を目の当たりにします。上司からも賞賛されるかもしれません。

今自分ができる限り精一杯の努力をし続けていても、単純に目標がなく、目標を意識せず、ゴールを切れる瞬間が味わえなければ、あなたは喜ぶことも、褒められることもないでしょう。つまり、目標とは高ければ高いほど新たな自分を生み出すきっかけであり、喜びを、賞賛を得られるきっかけとなるのです。そして与えられた目標は、想像し得なかった新しい自分、想像し得なかった未知の能力を引き出してくれることに繋がるのです。

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